だいちくん、今月のコスタリカに黒いて薄い皮がついているんだけど、大丈夫?
こんな質問が、スタッフからありました。
これはそのままでも、味に大きな影響はなく、コーヒー業界では「チャフ」と呼ばれています。
どのコーヒー生豆も最初は薄皮に覆われているのですが、焙煎をすることで豆が伸び縮みして剥がれ落ち、排出口から出てきます。
スタッフが心配していたコーヒーは、今月のお任せ1品目コスタリカのエル・ハルコン農園。
レッドハニーという精製方法で作られているので、余計に黒く目立ったのですね。
※お任せの内容は2023年2月分
実際にどれくらいの違いがあるのか、 お任せ1品目コスタリカのエル・ハルコン農園とお任せ2品目パプアニューギニア・コルブラン農園で、出てきたチャフの量を比べてみました!
チャフの量を比較
コスタリカのエル・ハルコン農園は、レッドハニーという精製方法で作られていて、果肉を多く残したままコーヒー豆を乾燥させます。
一方、パプアニューギニアのコルブラン農園は、フルウォッシュトなので、キレイに果肉を洗い流した状態で乾燥します。
結果は、一目瞭然!!
レッドハニーのエル・ハルコン農園は約200g。
ウォッシュトのコルブラン農園は、約50g。
どちらも20kgの生豆を焼いて出てきたチャフですが、5倍くらい量のチャフが出てきました。
また、量だけじゃなく色も異なり、レッドハニーのエル・ハルコン農園は、黒っぽい色をしています。
さらに、手触りも違います。
フワフワしてるコルブランのチャフに対して、エル・ハルコンのチャフは硬くパリパリしてるものが多いです。
次に、 生豆にも着目です。
よーく見てみると、オレンジ色の部分がありますね。
これが果肉成分で、チャフとしてたくさん出てきていると思うと、果肉の甘味や酸味成分が生豆に浸透している様子が見てわかりますね。
どうりで、コスタリカのコーヒーは、独特な甘さや酸味があり、人気があるわけです。
納得の味ですね。
※パプアニューギニアは、フルウォッシュトらしいキレイな酸味とティーライクがうんまいですよ~
同じマイクロミルでも比較してみます!
定番商品として取り扱っている同じモンテ・コペイ、ホワイトハニーのエル・エンシノ農園もたくさんのチャフが出てきます。
同じマイクロミルで作ったコーヒーなので、作り手は同じエンリケさん。
精製方法によって、どれくらいチャフに違いが出るのか!?
結果はコチラ↓
レッドハニーのエル・ハルコン農園は約200g。
ホワイトハニーのエル・エンシノ農園は、約140g。
先ほどと同じように、どちらも20kgの生豆を焼いて出てきたチャフです。
同じハニー精製ですが、上の生豆の画像の通り、レッドハニーの方が果肉を多く残して乾燥しているので、このような違いが見ることができました。
最後に
普段、みなさんがコーヒーを口にしていると、目にすることのない裏側の話でした。
いかがでしたでしょうか。
ぼくも毎日焙煎していると、何気なしにごみ袋にまとめていたチャフ。
ひとたび見方を変えると、そこにはコスタリカで発展したハニー精製の違いが見えてきました。
2019年を最後に生産地へは訪問できなくなってしまいましたが、それでも毎月のように届くコーヒー豆の先には、生産者がいることを実感しますね!
この記事を書いた人
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。
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