動画、ご覧になりましたか?かなり膨らみに違いが出ていますよね!
みなさまのご自宅では、どのように膨らんでいるでしょうか。
届いてすぐはモコモコと膨らんでいた豆も、一カ月を経過するころには、膨らみも徐々に弱くなっているのではないでしょうか。
この原因には、色々なことが考えられますが、最も多いのがコーヒー豆の鮮度です。
※こちらの記事でも、『豆のまま』と『粉の状態』のコーヒーのの膨らみの違いをご紹介
今回も、鮮度の違う2つのコーヒー豆を用意し、見比べやすいようにしてみました。
そして、きゃろっと的に掘り下げてみようと思います。
抽出は、バリスタさーやんが可能な限り同じ条件で行います。
使用する豆は、グアテマラ・グアヤボ農園の中深煎りを30g。
下記の2種用意しました。
①挽いた状態で、10日間常温保存したもの
②焙煎直後の豆を入れる直前に挽いたもの
コーヒー粉がモコモコと膨らむ要因である炭酸ガスは、豆のままでも焙煎直後から徐々に抜けていってしまいますが、 ② は焙煎直後なのでもっとも炭酸ガスが含まれている状態という事になります。
一方、炭酸ガスは挽いた後から急激に抜けてしまうため、①では膨らまない条件が揃っていると言えます。
これらの粉にお湯を注ぐと、いったいどのような違いが出るのでしょうか。
そして、粉の中では何が起きているのでしょう。
解説
1湯目では
抽出開始は 0:03 から、ほぼ同時にスタート。
最初の注湯は、粉全体にお湯が行き渡るようにお湯を注ぎます。
2湯目以降の抽出の際、抽出ムラができないようにするためですね。
お湯がうまく行き渡らず、抽出ムラが出てしまうと、雑味の原因となってしまいます…!
焼き立て挽き立ての②では、 0:15 で1回目の注湯が終わりますが、挽いてから10日経過した①は、それより前も 0:12 に終えていますね。
まず、ここで最初の違いが出ます。
これは、それぞれの粉が持つ含水量の違いによるものだと考えられます。
①は挽いてから時間が経ってしまっているため、コーヒーの細胞内に炭酸ガスが含まれていないので、お湯がスーッと流れ出てしまいます。
1湯目の直後、 0:13 でコーヒーが滴ってくることからも分かりますね。
②は、お湯の通り道であるコーヒーの細胞内に、たくさん炭酸ガスが含まれています。
そこにお湯が通ることで炭酸ガスが放出され、コーヒー粉がモコモコと膨らむんですね。
また、ゆっくりお湯が通るため、流れも遅くなります。
1湯目が終わり、7秒後。
0:22 からコーヒーが滴ってくるので、お湯が行き渡る時間がかかることが分かります。
つづいて、2湯目
①は、約20秒の蒸らし時間で 0:37 から注湯を開始します。
②では、約26秒の蒸らし時間で 0:41 から注湯を開始します。
①は、炭酸ガスがあまり含まれていないため、もっと蒸らしの時間が短くてもいいのですが、②のように膨らむ新鮮な豆を使用するときは、やはり約30秒蒸らすと上手に淹れることができます。
また、深煎りを使用するときには、よりたくさんの炭酸ガスが含まれているので、粉表面の様子をよく観察し、30~40秒ほど待つといいですね。
ちなみに、個人的に好きポイントがココです♪
蒸らしの時の、粉表面をよく見てみると分かるのですが、ピチピチ?プツプツ?とわずかに弾ける音がするんです~
まるで生きて呼吸をしているような動きと音に、ワクワクします。
そして、お湯を注ぎ続けると、②ではさらに膨らみを見ることができますね。
いかがでしたでしょうか?
同じ銘柄を、同じ人が同じように淹れても、鮮度が違うだけで、こんなに見た目に違いが出てしまいます。
当店のコーヒー豆をお選びいただいた理由のひとつに、モコモコとした膨らみを期待していた方もいらっしゃるはず。
私たちも、こんなワクワクする体験をしていただきたいので、『豆のまま』でご購入の方は、ぜひ到着したらすぐに淹れてみてくださいね。
また、今回は『粉の状態』で買ってしまったという方も、次回は『豆のまま』でのご購入をお勧めいたします。
ちなみに…、
今回淹れたコーヒーは、どちらも美味しく淹れることができました。
挽いた状態でお届けしたコーヒーも、きちんと保存していただければ、1週間を目安に召し上がっていただければ、美味しく召し上がることができますので、ご安心くださいね。
以上、鮮度の違いで徹底比較!でした。
この記事を書いた人
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。
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