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これが僕らの道しるべ。「トムトムWAYS」こそ、大企業にも負けない、僕らのクレド。 スープカレームトムキキルインタビュー その4

こんにちは!きゃろっとの食道楽 大石です。

札幌市清田の人気カレー店トムトムキキルさんのインタビューの4回目。インタビューは今回でラストです。松原さんのお話はとても面白くて、時間が経つのがあっという間でした。

第4回目はトムトムキキルさんの店内にも掲げてある「トムトムWAYS」についてのお話を伺います。

この「トムトムWAYS」はトムトムキキルさんが作成した「クレド」の則って作ったもの。
※クレド(CRED)とは…「企業活動が拠り所とする価値観・行動規範を簡潔に表した言葉」具体的で簡潔。実践的なもの。

それをお客様に公開して 店舗に貼り出すことは、すごく勇気のあることにも思います。
同時にこの「クレド」があるから、仲間との繋がりがより強固なものになったとのお話も…!う~ん、とっても、興味深いです。

どうか、お付き合い下さい。


これを見れば迷うことは無い。結果、素敵な人間になれる トムトムキキルのCRED(クレド)カードを見てみよう!

左、トムキキWAYS 右、トムトムキキル CRED(クレド)カード

—トムトムWAYSについてお伺いしていきますね。

はい。全然聞いてください(笑)
これは僕らのCRED(クレド)に沿って作ったものです。



—CRED(クレド)て、どういうものでしょうか?

クレドは、例えばトムトムキキルで働く上での指針を示しているものです。迷ったら絶対に立ち返る場所で、ここに書いている方向に進んでいく。というものです。


—僕も色々なクレドを見てきましたが、ここまで考え抜いたクレドは なかなかお目にかかれないですよね。

ありがとうございます。
本当そうなんです!これも妻と考え抜いて作ったんですよね。
このクレドカードがあることで、僕も一緒に働く仲間も 同じ方向を向いてトムトムキキルで仕事ができます。

—トムトムキキルさんは一緒に働く仲間のことを「バンド」のようにとらえていますよね?

その通りです。
バンドに色々なパートメンバーがいるように、トムトムキキルでも、それぞれがパフォーマンスを発揮できたらすごく楽しいですよね。

実を言いうと、少し前までは 僕と妻を前面に推していたんです(笑)ある意味、僕の個性推しみたいなところがあって…。 けど、それだと先が見えてしまうような感じがあったんですよね。

それよりも働く仲間、みんながそれぞれ輝けて、 みんなそれぞれにファンがいたら…最高です!

「彼の作ったカレーが食べたい」「あの人の笑顔に会いたい」 そんなふうに、僕と妻の2人推しじゃなくて、スタッフの数だけ…数でいうと6本推しになったら、それだけ広がりがありますよね。2本のビームよりも、6本だと太いビームになるみたいな(笑)7人いたらレインボービームになりますよね(笑)

…とにかく、魅力が今の比じゃないくらい大きくなって、その方が僕らもお客様も楽しい。

だから内装やPOPなんかも、その点を意識して改装しました。

なので、前は「楽しさ」や「笑える」を前面に出していましたが、今は結構シックな感じになってます。「楽しい」感じで 残ってるのは、アンケートのマスオさん風のPOPくらいかな?これから徐々に「楽しい」「笑える」部分を増やしていく予定です。

左:新しい内装とマスオさん風POP 右:以前の内装にあったベストテン風トッピングランキング


—改装する前の「楽しさ・面白さ満載」の内装やPOPも大好きでした。

僕も好きでした(笑)
けど、捨てるものが無いと、新しいものが入ってこないので、思い切って一新したんですよね。僕は特にベストテン風のトッピングは迷いましたね~(笑)そこだけの残そうか、とまで思ったんですが、どう考えてもバランスがおかしいので断念しました(笑)。

だから、新しい気持ちで、一緒に働く仲間の魅力を発信していけるように やっていきます。

ただ、注意が必要なのは、バラバラのことをしても、良いバンドにはならない、ということです。いくら演奏がそれぞれ上手でも、全然違う曲を奏でてたら誰も聴いてくれないですよね。

だから、このクレドが大事なんです。指針が明確になって、意思の疎通がものすごく速くなる。 新しいことに取り組むときも、すぐに意味を理解してくれます。

要するに、面倒くさがりの僕からしても、 物凄い時短になるんですね。

—それだけ、このクレドがスタッフの皆さんに周知されているということなんですね。

そうですね。
僕らは毎朝、このクレドを基に「クレドミーティング」というものを行っています。 そこで、それぞれの考えを知ったり、新しいアイデアを聞いて共有しています。「クレドミーティング」があることで、みんなが手を止めて 僕の考えを聞いてくれる時間を作れていることも重要ですね。


クレドはルールというよりも信条なんです。

だから、クレドカードはスタッフの名札の裏に必ず入れるようにしていて、もし何か迷うことがあったら、このクレドカードを見て決めるようにしてます。

そうすることで間違えた判断をしないし、最終的には「これを守ってれば素敵な人間になれるよね」って(笑)。真面目に、そこまで考え抜いて作りました。

もしも、トムトムキキルで働こうかなと思ってくれた人が、このクレドカードを見て「これは私には無理だ」と思ったら。それは、どっちが良い悪いとかでは全くなくて、マッチングとして合わないということになります。それは、お互いのためにすごく良いことだと思ってます。

だから、このクレドを見て、理解して働き続けてくれる方は… 本当に分かり合えるソウルメイトであり、戦友のような存在です。

—なるほど。それでは、具体的にクレドの内容について教えて貰えますか?

そうですね。
これを語りはじめると数時間かかってしまうかもしれませんが(笑)

例えば、まず安全。これは企業として、特に食品を扱う以上、絶対ですよね。

それに、僕たちは「楽しいカレー屋」「笑ってもらえること」を大事にしています。 けど、それが出来るのって、やっぱりカレーに対しての安全面について一切妥協しないからできるんです。もし、その優先順位がおかしくなったら。全く笑えない、何の信頼も得られないカレー屋になってしまいます。

僕たちは、カレーへの愛情は絶対だし、安全面も味も自信を持って提供できる。だからこそ、このカレーがあるからこそ、見せ方や伝え方で遊ぶことができます。



—確かにその優先順位がおかしくなると、印象がガラッと変わってしまいますね。

そうなんです。
やっぱり僕らはカレーへの愛は絶対だし、お客様にも満足して欲しい。笑ってももらいたい。更に、地域貢献をしたい。もっと言えば、協力会社さんへ恩返しもしたい。 やりたいこと、いっぱいなんです(笑)


だからこそ、まず絶対に大切にしなければいけないことは、スタッフ全員で共有します。そして、その為にクレドは必要なんですよね。


—なるほど。改めて、クレドの重要性を痛感しますね。

今回のインタビューで、クレドに限らず、トムトムキキルは松原さんらしい考えが凝縮して作られていることを実感しました。改めての質問ですが、松原さんにしかない、最大の強みは何でしょうか。

そうですね。
めちゃくちゃ難しい質問で悩みますが、僕は「真面目さ」だと思います。 僕、真面目なんです(笑) とにかく、カレーに真面目だし、さっきの話のようにスタッフにも真面目。


真面目にふざけるし。採用も教育も。クレドも。全部本気です。とにかく愛情をこめて、真面目にやっていることには自信があります。


他のお店の方々のことをすごく尊敬しているので、僕にしかないかどうかはわかりません。けど、僕自身が真面目に 妥協無くやっていることは、僕のことなのでハッキリと言えます。

—確かに!松原さんのお話を聞いていて、僕もそう感じました。
同時に、僕は松原さんの「素直さ」も凄いように思うのですが?

う~ん(笑)どうでしょう。
クレドにも「素直さ一番」と書いてあるのですが 実はこれ自戒の念も込めてまして…。

僕、頑固で人の話に素直になれないところがあるんですよね。 ただ、自分の気持ちに素直になることは100%できます(笑)カレーが大好きな気持ちに素直になるのも、そのまんま生きてます。セルフコンパッションは半端ないんです(笑)。


—あるがままの自分に素直になる。自分を大事にする。そういう意味合いでしょうか?

そうですね。自分のワクワクに正直なるような感じでしょうか。


小学生の時の夢が「毎日カレーを食べたい」でした。 その頃から、本当にカレーが好きで。朝、学校行く前に「あ、まだ1食分ある!」と思って家に帰ってきたら、 お爺ちゃんが食べちゃってて。悔しくて悲しくて本気で泣いたり(笑)

だから、自分の経歴で、和食屋さんの経験や3年間のカレー屋さんで勤務をしている時はカレー屋を自分でやろうとは思ってなかったんです。「カレーが好き」という気持ちは、カレー屋さんで毎日賄いを食べれて、満たされていましたから(笑)

ただ、家族との時間を考えた時に、「家族の時間が欲しい」と思いました。
けど、雇われている状況では両立が難しい。 じゃあ、自分で店をやるしかない。そう決めました。

そして今、自分の理想のカレーを毎日食べることができて、夢が叶っています。

—開業すると決めた時は、カレーが好きな気持ちと、飲食店で培った技術と経験があるから、やってみよう!という思いでしたか?

いえ(笑)

良いのか悪いのかは別として、自分の武器は、唯一「カレーへの愛情」しかありませんでした。 本当にそれだけです。

飲食店は沢山経験して、カレー店でも3年働いたことで、 その技術は勉強になっていましたが、武器としては「カレーの愛」。これだけですね。 僕はカレーの愛と、運と縁。それだけで、ここまで来たと思っています。


—一般的には技術があるから創業しようと考えそうですが?


確かにそうですよね。
けど、僕は「カレー愛」が最大にして唯一の武器だと考えていました。
カレーへの愛情さえあれば、自ずと理想のカレーを作るために、自分なりに考えて努力できると思ってたからかもしれません。
もしも、カレーへの愛情が無かったら。技術があったとしても、全然楽しくないし、成長できない。それって、なんの意味も無いような。それを何となくですが 感じていたんだと思います。


—なるほど。
他にも、一般的な悩みがあると思います。例えば、家族と仕事。サービス業や飲食業は特に、その二つをどういうバランスで営業するか、悩むことは多いように思います。

そうですね。

一般的な考えに縛られるのは僕もあるから、めちゃくちゃ気持ちはわかります。
ただ、僕は自分の気持ちに素直で、自己肯定感はMAXなんです。ミドルネームに入れれるくらい(笑)僕の名前は『松原 自己肯定感 崇弘』です(笑)


だから、後悔しないようにしたい。目標は万歳しながら死ねる人生にしたいんです。だから、僕の半身である妻と、とことん話して決断してます。


営業について何が正解かは そのお店によるとは思いますが、僕はそこを軸にして決めています。


—松原さんらしいお答えで、とても勉強になります。
では、最後の質問です。トムトムキキルさんの今後の展望について教えてもらえませんか?

展望…う~~~~ん。


ちょうど 悩んで落ち込んでいるところなんです(笑) なんか最近ワクワクしていないな~、と妻と話していたところで。

じゃあ、自分たちのワクワクすることって何だろうって、今夜から、また妻と血反吐が出るまで話し合おうと思ってます。なので、今はゴールが霧の中にある感じなんですよね。

けど、絶対に決まっているのは「ワクワクすること」。それだけは決まっています。

そうじゃないと人は付いてこないと思っています。 ワクワクしている社長じゃないと、つまらないかなと。
働く人のワクワクも、もっと考えたいし。

だから僕だけのことじゃなくて、皆にもどんなことを任せようか、ということも考えています。
その先の、どんなことをゴールにしたら一番ワクワクするか。


そこを今ちょうど考えていますね。

全4回に渡ってお話を聞いたトムトムキキル 松原さんのインタビュー。
いかがでしたか?


僕はとても奥の学びや気付きがあったので、次回「5話目」の記事としてとして編集後記を作成します!

松原さん、とても興味深いお話、ありがとうございました!心から、感謝申し上げます!

愛情と感謝に溢れる情熱と、その想いに応えるよう活躍するスタッフの皆さん。そのキラキラした関係が、沢山のお客さんをファンにしていく輝きになっているんだと感じました。

本気の働き方改革や、クレドカードなど、とことんまでご夫婦で考え抜いたものばかり。

ただその軸には、決してブレない愛情があるから、見ている人みんなが心温まる気持ちになるのだと思います。だからみんな、気が付いたら応援している「トムキキマジック」にかかってしまいます。


僕たち珈琲きゃろっとは 恵庭にあるコーヒー屋です。そして、トムトムキキルさんは札幌市清田区のカレー屋さんです。

カレーとコーヒー。その扱っている食品が違うだけで、基本の考え方に共通していることが多く、深い感銘を受けました。
改めて、トムトムキキルさんが教えてくれた「愛情」と「感謝」をこれからも大事にしながら、日々美味しいコーヒーをご用意していこうと思います。

それにしても、インタビューしながら美味しいカレーの香りをずっと嗅いでいて、猛烈にお腹がすきました(笑)

さあ、今日はカレーにしよう。
愛情たっぷりのカレーをいただきます。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回ラストの編集後記で またお会いしましょう!

次の記事はこちら▼
<編集後記>トムトムキキルさんのインタビューを終えて思った「らしさって、なぁに?」ということ トムトムキキルインタビュー5

スープカレートムトムキキル
〒 004-0843
北海道札幌市清田区清田3条2丁目14−15
電話  011-881-6280



大石 広土

この記事を書いた人 
こんにちは!珈琲きゃろっとの大石です。
毎日、お客様対応や焙煎業務など色んな事に携わっております。楽しいです^^
嬉しい言葉や、美味しい!のご感想をみては、「幸せな仕事がきてうれしいなぁ~」と実感してます。

そして、我が家のエンゲル係数異常値ですが、食道楽はやめられません(笑)
食道楽が高じて「どんな人が、どんなふうに作ってるんだろう」という興味を抑えきれず、素人ながら、家族で突撃インタビューをしています。完全に趣味です(笑)

美味しいコーヒーと同じくらい、この世の美味しいものが好き。もう、この気持ちに素直に生きています(笑)

コーヒーのこと、お客様やサービスのこと、きゃろっとのこと、食道楽のこと(笑)など色んな角度から魅力再発見するお手伝いができたら嬉しいです。

もし良かったら、コーヒーと一緒にお付き合い下さい。