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スペシャルティ?コモデティ?コーヒー豆の等級分けを解説

きゃろっとの取り扱っているスペシャルティコーヒーは、見た目だけではなく、品質の良し悪しで最終的な価値を決定します。

ところが、国際的な取り決めがないため、生産国によっては粒の大きさや欠点豆の数、収穫された農園の標高の高さなどで等級分けをされています。

等級分けされることで、飲んだ時のクリーンカップに大きく影響する欠点豆が少ない豆やフルーティーな酸味のある標高の高いところで採れた豆を間違いなく選ぶことができますね。

なので、等級分けされることが、決して間違っているわけではありませんが、必ずしも「等級が高い=美味しい」とはならないことがあるんですよ。

日本でも、果物や野菜などで「等級」や「階級」などがこれとほぼ同じです。

大きさや見た目がキレイさで、品質が高ければ申し分ないのですが、ぶこつ野菜だって負けず劣らずおいしいですよね。

でも、見た目で売りにくい、売れないので、どうしても価値は下がってしまいます。特にご贈答用のものでしたら、見た目も味もいいものを選びたいですよね。

これと同じようなことがコーヒーにも言えて、等級分けされたコーヒー豆は見た目で価格が決定されますので、スペシャルティコーヒーとしてはちょっと損をしてるような?

正しい判断基準が必要ですよね。

ということで、今回はこの等級分けについて、詳しくきゃろっと的に解説していきたいと思います!

コーヒーの格付け方法いろいろ

まず、コーヒーが何を基準に等級分けされているのかをご説明しますね。

格付け方法は、大きく分けて3種類。

この基準で格付けされ、一定の基準をクリアしたものが日本にやってきます。

コーヒー豆の大きさ

「豆の大きさ(スクリーン)が大きいほど、品質が高い」と評価されます。
主に、アフリカや南米で使われている格付け方法ですね!

豆が大きいと、何よりも見た目にインパクトがあり、美味しそうです。
定番商品のマンデリン・スマトラタイガーは、きゃろっとでも最も大粒のものをセレクトしたものをご紹介しています。見るからにプリっとおいしそうですよね~

僕が、ブラジルに行った時も、これで格付けしていたところを見ることが出来ました!
コーヒー豆の大きさは、「スクリーン」というザルのようなで道具で振り分けます。

スクリーン
スクリーンサイズ9~19まで

銘柄別に、例えばグアテマラ・プラン・デル・グアヤボ農園のコーヒーは “ SC17以上 ” 、ブラジル・ハチドリは“SC16”、マンデリンは“SC18以上”と記載されているので、これが豆の大きさを表しているのですね。

この穴の大きさを表す単位は64分の1インチ(1インチ=25.4㎜)。

例えば、上記のブラジルは64分の16インチ(約6.35mm)。
マンデリンは、64分の18インチ(約7.14mm)以上のコーヒー豆という意味ですね。

スクリーンだけを見たら、大粒ほど品質が高いとされますが、粒の大きさは品種によっても大きく違います。

大きい=美味しいとは、一概には言えない格付け方法と言えますね。

欠点豆数

「異物や欠点豆の混入率が低ければ低いほど品質が高い」と評価されます。

僕が取得したクラシフィカドールの取得試験では、これを正確に見分けて点数化することが試験に出されます。

1ロットのコーヒーから、無作為に300gのサンプルを抽出します。
その中に、混入している異物や欠点豆がどのくらいあるかを点数で評価します。
いわゆるネガティブチェックですね。

混入している物の種類ごとに点数が設定されているため、単純に混入物の数だけでなく種類も欠点数に影響します。

例えば、上の画像一番左の黒豆の場合は、味に大きな影響を与えるので1個につき欠点数「1」。
次の未熟豆の場合は、5個で欠点数「1」といった具合です。

この欠点豆は、種類によって味に与える影響が大きいので、純粋に欠点数が低いコーヒーほど、品質が高いと言えますね。

産地の標高

「収穫された農園の標高が高ければ高いほど品質も高い」と評価されます。

標高の高さを等級の基準にしているのは、中米の国々ですね。

コーヒーは、昼夜の寒暖差が大きい環境で育つと、時間をかけてゆっくり実が熟していきます。
その結果、コーヒーチェリーは糖度が高くなり、品質に繋がると言われています。

このあと、きちんとした環境で精製処理をすることで最終的な品質になりますが、純粋に品質を見ると、標高が高い=美味しいとなることが多いですね。

産地ごとに等級分けについて

最後に、きゃろっとで定番商品としてご紹介している銘柄の国々では、どんな格付け方法で等級分けされているのか見てみましょう!
 
国ごとにもいろいろあるので、興味深いですね~

グアテマラ

収穫された農園のある標高別に、7段階に格付けしています。
これより低い等級も存在しますが、PW以上を輸出用としているので省略します。

表記読み標高
SHBSTRICTLY HARD BEAN
スクリクトリー・ハード・ビーン
約1400m以上
HBHARD BEAN
ハード・ビーン
約1200~1400m
SHBSEMI HARD BEAN
セミ・ハード・ビーン
約1050~1200m
EPWEXTRA PRIME WASHED
エクストラ・プレミアム・ウォッシュト
約900m~1050m
PWPRIME WASHED
プレミアム・ウォッシュト
約750m~900m未満

きゃろっとでは、2016年にウエウエテナンゴとアカテナンゴという地区へ。
2018年には、アンティグアのクプラ農園とニューオリエンテのプラン・デル・グアヤボ農園に伺いました。

クプラ農園のあるアンティグアという街自体が、標高が約1500mの場所にあります。

また、きゃろっとの人気商品「プラン・デル・グアヤボ農園」のあるニューオリエンテ地区も、同じく1400~1800mの場所にあるので、すでにどの地区も国内最高峰のSHBの基準を満たしていますよね。

グアテマラを訪問した様子はこちら↓
この人に会いたくて来たグアテマラ

アンティグアの高台から。雲がすぐそこです。

きゃろっとでは、ここからさらにカップテストを行うので、最低でもSHBの基準を満たしたものでかつ美味しいと認められたものを取り扱っています。

あの、ドナドおじさんのプラン・デル・グアヤボ農園に行った際は、農園内を案内してもらいましたが、まさに登山。

あの大変な環境の中、作られたコーヒーが美味しくて評価が高いことには、納得です。

コスタリカ

収穫された農園のある標高別に、3段階に格付けしています。
太平洋側、大西洋側と評価方法が異なりますが、今回は主な格付けをご紹介です。

表記読み標高
SHBSTRICTLY HARD BEAN
スクリクトリー・ハード・ビーン
約1200m~1650m以上
GHBGOOD HARD BEAN
グッド・ハード・ビーン
約1000m~1200m
HBHARD BEAN
ハード・ビーン
約800m~1000m未満

一般的に、このような評価方法で格付けをしていますが、コスタリカは特別と言っていいかもしれません。

きゃろっとで取り扱うコスタリカコーヒーは、すべて国内の輸出業者エクスクルーシブコーヒーを通して、日本にやってきます。

このエクスクルーシブコーヒーの代表は、自身も農園を持つフランシスコ・メナさん。
メナさんは、コスタリカコーヒーが安く買い叩かれていた時代を知り、スペシャルティコーヒー文化を根付かせるためにマイクロミル革命を起こしてきた人です。

この人こそ、品質を基準に、コーヒーの価値を決める仕組みを作ってきました。

国内で収穫されたコーヒーは、エクスクルーシブコーヒーに持ち込まれ、カップテストでの評価を行います。

国際的な資格を持った方も在籍しているので、一定の基準を満たしたもののみを日本向けにもご紹介いただいています。

この品質の価値は、標高を目安に格付けされたものではなく、品質の高いものが自ずと標高の高いものになっているんですね。

きゃろっとでも毎年取り扱っているコスタリカのコーヒーは、ウエストバレー、セントラルバレー、タラスなどの地区で作られています。

どの地区も、標高1500m以上にあり、2000m近い標高の農園にまでコーヒーノキが植えられています。

標高の高さが、フルーティーな酸味や甘味を生み出すと言われていますが、飲んで納得
まだお召し上がりになっていない方は、ぜひ一度お試しくださいね。

インドネシア

欠点豆の数で、5段階に格付けしています。

表記条件
G1300g中の欠点豆が0~11個
G2300g中の欠点豆が12~25個
G3300g中の欠点豆が26~44個
G4300g中の欠点豆が45~80個
G5300g中の欠点豆が81~150個

欠点豆の数も、標高と同様に品質に直結します。

きゃろっとで取り扱っている定番商品のマンデリン・スマトラタイガーは、もちろんG1グレードになります。

生豆の見た目は、他の銘柄と比べてもとてもきれいに揃い、粒も大きく立派です。
欠点豆の数が少ないことは、液体になったときのクリーンさにも確かに繋がっているようです。

また、インドネシアのコーヒーを取り扱う上で、コレクターという仲介者の存在がとても重要になります。

きゃろっとでは、内倉が2017年にインドネシアへ訪問しました。
この時に、コレクターと生産農家さんたちとの強い信頼関係を見たそうです。

信頼関係の強い両者が、品質の高いコーヒーのために手を取り合うことで、欠点豆の少ない美味しいコーヒーを作り出すことを可能としています。
 
インドネシア・マンデリンの記事は、こちら↓
個性的なコーヒーはお好きですか?マンデリン編

ブラジル

欠点豆の数、スクリーンサイズ(豆の大きさ)、カップ(味)の3項目で格付けしています。

まずは、欠点豆の数で7段階に格付け。

表記条件(減点の合計数)
No.24点以下
No.38点以下
No.426点以下
No.546点以下
No.686点以下
No.7160点以下
No.8360点以下

No.1がないのは、「完璧なものは存在しない」という理由からなんですよ~

次に、スクリーン(豆の大きさ)で8段階で格付け。
大きさを表す単位は、64分の1インチ(1インチ=25.4㎜)です。

表記条件(スクリーンサイズで比較)
SC20 約 7.9mm 以上
SC19 約 7.5mm 以上
SC18 約 7.1mm 以上
SC17 約 6.7mm 以上
SC16 約 6.3mm 以上
SC15 約 5.9mm 以上
SC14 約 5.5mm 以上
SC13 約 5.1mm 以上

カップテストは、スペシャルティコーヒーとは異なり、不快な刺激がどれだけ感じるかで5段階に格付け。

表記読み条件
Estritament Mole
/STRICITY SOFT
エストゥリタメンチ・モーリ
/ストリクトリー・ソフト
モーリの特徴を備え、より心地よい
Mole
/Soft
モーリ
/ソフト
心地よく、柔らかな甘みのある味わい
Apenas Mole
/Hard
アペーナス・モーリ
/ハード
渋みや雑味がなく、モーリより特徴が弱い
Riada
/Rioy
リアーダ/リーヨ やや不快な(化学的な)刺激を感じる味わい
Rioリオ 不快な刺激を感じる味わい

コーヒーを格付けするようになったのが、ブラジルが始まりとも言われているので、かなり厳格に格付けされていますね。

ブラジルの格付け方法の特徴としては、よくない部分を探して減点する、ネガティブチェックとなっていますね。
一方、スペシャルティコーヒーは、素晴らしい特徴的な部分を見つけて加点する、ポジティブチェックとなっています!

同じ評価方法でも、見方次第で、コーヒーの評価もかなり変わってくるのではないでしょうか。

実際に、僕が受験した鑑定資格取得のテストでは、欠点豆を除く試験を行っていますが、スペシャルティコーヒーにならないコーヒーの見た目はこんな感じ↓です。

正常な豆(一番奥)、貝殻豆、割れ豆、変形豆、カスカラ、発酵豆、死豆、未熟豆などが含まれています。

300gの中にこれだけ含まれていると、減点は40点以上、No.5に格付けされてしまいます。

きゃろっとで取り扱う銘柄には、これだけ欠点豆が含まれたものはありませんが、グレードの低いコーヒーがあること。

また、それがどのようなネガティブな味になるのかを知ることができ、現在のカップテストにも役立っています。

さらに、不快な味をチェックするテストでは、嗚咽するような味のものまで含まれていました。
それは間違いなくコーヒーで、欠点豆としてはじかれるような豆が含まれると、とんでもないコーヒーになってしまいます。

まずは、国内できちんと格付けし、生産者にも教育面で力を入れて、綺麗なコーヒーを仕上げることが高品質なコーヒーを続ける第一歩なのかもしれません。

エチオピア

欠点の数で、8段階に格付けしています。
日本へは、G4以上が主に輸入されてきます。

表記条件
G1300g中の欠点豆が0~3個
G2300g中の欠点豆が4~12個
G3300g中の欠点豆が13~27個
G4300g中の欠点豆が28~45個
G5300g中の欠点豆が46~90個

G1、G2…、あれ?先ほども、出てきましたね!

そうです、インドネシアと同じ表記の格付け方法です。

ところが、欠点豆の数が違うようです。
インドネシアG1の欠点豆数が0~11個に対して、こちらの欠点豆はG1で0~3個。
より厳しい評価をしているようですね。
 
ただし、これが品質の良し悪しに繋がっているとは考えにくいのが、数字では読み取れないところです。

マンデリンは、スマトラ式という独特の精製方法のため、つぶれた豆や欠けた豆が含まれることがどうしても多くなってしまいます。
このため、欠点豆数にも余裕をもって評価していると考えられます。
 
また、先日商社さんのセミナーで伺ったことなのですが、エチオピアで取引されているコーヒー豆は、独自のシステムで取引をされています。

ECXというオークションを通さなければいけないのですが、ここではエチオピア国内で評価されたスコアが開示されて、オークションにかけられます。

実際に、僕たちがカップテストを行って銘柄を決めることができればいいのですが、どうしてもECXを信頼して、そのスコアから買い付けるしかありませんね。

そこで重要になってくるのが、商社さんと現地の生産組合や精製工場との強い繋がりになります。

日本人の僕たちが感じているコーヒーの評価とECXで現地の方々が評価は、少なからず乖離があります。

そんなとき、商社さんが現地の生産組合や精製工場と強い繋がりがあると、コーヒーがある程度評価されていれば、「ここは丁寧に作っているから、今年も絶対美味しいコーヒーを作ってくれる」と、買い付けをすることができるんですね。

ケニア

スクリーンサイズと豆の形状で、主に4段階に格付けしています。

表記条件
AASC17(約6.7mm)以上
ABSC15(約5.9mm)~17(約6.7mm)
CSC11(約4.4mm)~15(約6.0mm)
PBエレファント/非常に大きい

ひと昔前までは、 “AA” のトップグレードが、豆の大きさが最も大きく価値があるとされてきました。
取引価格も、おのずと “AA” は高価になります。

ところが、近年になって、 “AA” だけでなく “AB” にも注目が集まるようになっています。

つい先日も、ケニアの収穫したてのニュークロップを商社さんから、“AA”と“AB”のグレードがある銘柄をご紹介いただきました。

実際にカップテストを行ってみると、「 “AB” の方が美味しい」なんてことが多々あるんですよ!
 
育成状況によっても味への影響は異なりますが、粒の揃ったきれいな“AA”よりも、AとBのサイズが混じった少し大きさバラつきのある “AB” 方が、複雑な香味を兼ね備えている場合があります。

このため、年々生産量が増加傾向にある地域もあると言われています。

「見た目では、判断できない」
この最たるものがスクリーンの大きさであることが、よくわかる産地のひとつ
ですね。

コロンビア

スクリーンサイズで、2段階に格付けしています。
SC13以下は輸出はされず、国内消費用となります。

表記読み条件
SPREMOスプレモSC17(約6.7mm)以上
EXCELSOエキセルソSC16(約6.3mm)~14(約5.5mm)

コロンビアも、先ほどのケニア同様に、スクリーンサイズで等級分けされています。

現地でも、大粒の「スプレモ」が高値で取引されていますが、これが必ずしも「美味しい」とはならないようです。

現在、定番商品としてご紹介いただいている「コロンビア・ビジャ・ファティマ」も、とても高品質なコーヒーですが、等級グレードは「エクセルソ」

コーヒーは見た目じゃ判断しちゃいけませんよ。

山椒は小粒でもぴりりと辛い。
コーヒーだって小粒でも複雑な香味を醸し出す。

浅野大地
浅野 大地

この記事を書いた人 
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。

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