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幻の品種「ゲイシャ種」って何??

ゲイシャ種は、「コーヒー界のシャンパン」とも言われる超希少なコーヒー。
 
「ゲイシャ種?初めて聞いたな」
「聞いたことはあるけど、詳しくは知らない」
 
という方も、この記事さえご覧いただければ、丸わかりです。

芸者じゃないよ、それは品種名「ゲイシャ」

例えば、お米にも「コシヒカリ」や「ななつぼし」などの品種がありますよね。

産地や耐病性、生産量、味覚特性が、品種によって異なり、「私の家ではいつもこのお米じゃなきゃだめだわ。」ということもあるのではないでしょうか。

これと同じように、コーヒーにも「ブルボン種」「ティピカ種」など、様々な品種があります。
 
それぞれの品種によって、適した産地があり、国によって栽培する品種が異なります。
また、掛け合わせることで耐病性なども改善され、病気に強く、生産性が高い品種などもあります。

コーヒーの風味は、品種だけでは味を決定づけることはできませんが、 さらに品種によって、香味特性も異なってきます。
 
その中でも、別格の扱いをされているのが、今回ご紹介する「ゲイシャ種」です。
 
ゲイシャと聞くと、「芸者」も思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
日本人には聞き慣れた名前ですが、この品種名はエチオピアにあるゲシャ村に起源があると言われています。
 
このゲイシャ種のコーヒーは、他のコーヒーと一線を画す素晴らしく華やかな香味特性があることから、コーヒー界のシャンパンと呼ばれるようになりました。
 
そのフレーバーは、ミカンやレモンの柑橘系のキャラクターから、パッションフルーツやピーチ、そしてジャスミンなどの花のようなフレーバーまで、非常に多彩で複雑です。

想像するだけでも、美味しそうですよね。
まるで、コーヒーではないようなフレーバー特性です。

コーヒーのテイスティングをする際、ゲイシャ種は際立った個性を感じます

なぜ「幻のコーヒー」となってしまったのか…

このゲイシャコーヒーは、長年にわたって世界から忘れられた「幻のコーヒー」でした。
 
優れた香味特性がありながらも、このようになってしまったもっとも大きな原因が、収穫量の少なさです。

コーヒーチェリーの結実する量が、他の品種と比較すると半分以下。

コスタリカに訪問した際、ゲイシャをはじめとした、希少コーヒー種の収穫現場に立ち会うことができました。
一度の収穫量は、これだけ。いかに希少なのかが、よくわかります。

さらに耐病性が低く、一度病気にかかってしまうとその年の収穫のほとんどが期待できません。
毎年、安定した収量を確保するためには、非常に高度な生産技術が必要な品種なのです。
 
そのため、栽培には多くのリスクが伴い、栽培をやめてしまう生産者が後を絶ちませんでした。

そして、コーヒー界から姿を消してしまったのです。

ゲイシャ種の伝説はここから始まった!

収穫量の少なさと耐病性の低さから、一度姿を消したと思われたゲイシャ種。

しかし、2004年世界中にその名を轟かせる「ゲイシャショック」と呼ばれる事件が起きました。
 
2004年にパナマ・エスメラルダ農園で栽培されたゲイシャ種が、国際品評会で優勝したのです。

この品評会は、パナマで開催される「ベスト・オブ・パナマ」というコーヒーの品評会です。

カップオブエクセレンスと並ぶ国際品評会で、エスメラルダ農園が起こした「ゲイシャショック」がこのベスト・オブ・パナマから始まります。

2004年にエスメラルダ農園が出品した「Jamillo Especial」が、当時の最高落札価格を記録したのを皮切りに、 怒涛の快進撃が続きます。

■2004年ベスト・オブ・パナマ → 優勝
■2005年ベスト・オブ・パナマ → 優勝
■2006年ベスト・オブ・パナマ → 優勝
■2007年ベスト・オブ・パナマ → 優勝

これは、レベルの低いコーヒー品評会での話ではありません。
 
先ほども説明したとおり、ベスト・オブ・パナマはカップ・オブ・エクセレンスと並ぶ世界最高峰のコーヒー品評会です。その品評会で1年連続優勝するというのは本当に異例中の異例なんです

サッカーのワールドカップで4回連続優勝するほどの快挙と言って良いでしょう。

誰も知らなかった「ゲイシャ種」と呼ばれるコーヒーは、飲む人のコーヒー観を覆すほど華やかでフルーティな個性に、世界各国の審査員が熱狂しました。
 
今まで飲んだことのないコーヒーの味わいが世界中に衝撃を与え、さらに2007年には、世界最高落札価格を叩きだしました。

落札価格1ポンド当たり130ドル(日本円で1kg=約3万円)という史上最高値を大きく更新しました。
 
その後、ゲイシャの魅力が再認識され、徐々に世界中で栽培されるようになりました。

■2020年 カップ・オブ・エクセレンス結果

・グアテマラ品評会優勝 → ゲイシャ種
・コスタリカ品評会優勝 → ゲイシャ種
・ペルー品評会優勝   → ゲイシャ種


■2019年 カップ・オブ・エクセレンス結果

・コロンビア品評会優勝  → ゲイシャ種
・コスタリカ品評会優勝  → ゲイシャ種
・ホンジュラス品評会優勝 → ゲイシャ種
・メキシコ品評会優勝   → ゲイシャ種

ですが、もともと生産性が低く、栽培技術が必要なため、現在も流通量が少ない超希少コーヒーです。
 
取引価格も当店で取り扱うスペシャルティコーヒーの5~30倍と、かなり高額で取引されます。
 
近年、大手コーヒーチェーンでもゲイシャ種のコーヒーが、一杯2000円という高値で販売され話題となりました。

きゃろっとでも大人気、ゲイシャコーヒー

このように、エスメラルダ農園を始め、ゲイシャ種のコーヒーは、世界的に見ても別格扱いの品種ということがお分かり頂けたかと思います。
 
さらに、きゃろっとでは、毎年年末に特別なコーヒーとして、このエスメラルダ・ゲイシャをご用意して10年以上のお付き合いとなります。


2019年の1月、パナマ・エスメラルダ農園を初訪問

こちらのコーヒーの販売実績をご覧いただければ、人気がお分かりになるかと思います。
 
 
■2012年 → 1,000パックが一般販売から「3日で完売
 
■2013年 → 先行予約分だけで1,000パックが完売(一般販売する前に完売)
 
■2014年 → 先行予約分だけで1,000パックが完売(一般販売する前に完売)
 
■2015年 → 先行予約開始から32時間で1,000パックが完売
 
■2016年 → 先行予約開始から23時間で1,000パックが完売
 
■2017年 → 先行予約開始から8時間で1,000パックが完売
 
■2019年 → 1500パック限定でご用意し、飲み比べセットが開始7時間で完売。単品販売が翌朝完売
 
 
ですが、残念ながら2018年。
8年連続での販売を断念致しました。
 
その理由として、大幅な減産により、2019年のオークションに出品されたロット数は例年の約20分の1程度。
 
最終的な落札価格を鑑みた上で、価格と商品価値のバランスから販売を見送る決断を致しました。

このように、その年の気候や世界的な需要などにより、安定しないゲイシャ種。
 

2019年に、焙煎士の内倉がパナマへ渡航。 エスメラルダ農園を訪問し、直接買い付けに行くことにより、再び販売が叶いました。
 
そのため、2019年、2020年はオークションロットではなく、買い付けロットとしてご紹介しております。

きゃろっとでも、世界最高峰のコーヒーを、ぜひみなさまにご紹介できればと思っております。

ですので、もし機会がありましたら、ぜひ一度お試しいただくことをおススメいたします!!