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なんで、ウガンダへ行って、バリスタになったの?

なんで、ウガンダへ行って、バリスタになったの?

地元の高校生、小学生に、私が青年海外協力隊に行っていたときのこと、それからコーヒー屋になってからのお話をしてきました。

地元の小学校には、毎年キャリア教育の一環として呼んでいただいています。

どうしても、海外に行って住み込みでボランティアをするとなると、特別なことだと思われがちです。だけど、地元のコーヒー屋さんのお母ちゃんだって、アフリカに行っていて、実は身近なことなのかも~やろうと思えば、だれでもできるのかも~なんて、感じてもらえたらいいなぁと、お話してきました。

私自身は、小さなころから「これだ!」という夢やなりたい職業はなかったように思います。でも、ずっと胸にあったことは「世界が平和であるためには、どうしたらいいんだろう」。ということ。

今でも、その思いは変わりません。夢がないというと、どうしても悲観的に捉えられる世の中になっているように感じることもあって、息苦しいと思う子供たちはいないかなぁと、こっそり考えていたりします。夢がなくても、目の前の出会いを大切にしたり、小さなことから挑戦したり、そうやって繋がることが、私はたくさんありました。協力隊も、自分の出会いや挑戦からつながったひとつでした。

どんな職業に就きたいかは、答えられなかったけど、どんな風に生きていきたいか。どんな気持ちで毎日を過ごしたいか。どちらかというと、そうゆうのは、思っていたことがあったから、自分がどこに行っても、生きていけると、なんとなく感じていたんだと思います。

やりたい職業に囚われすぎると、そこがゴールになっちゃう気がしています。それよりも、目的や、どんな生き方を選びたいか、そこを育てると、どんな職業についても、その場所でできることって山ほどあるんじゃないかと思っているんです。

私にとっては、コーヒー屋になりたいというのは、実家なので身近な存在ではあったけれど、夢ではありませんでした。帰国したときに進路が決まっていなかったこともあり、なんとなくきゃろっとの手伝いをすることに…。

その際に、兄の内倉に、スペシャルティコーヒーの話を聞いたときに、衝撃が走りました。「スペシャルティコーヒーは、生産者が価格を決められる。価安く買い叩けば、俺たちは良いコーヒーが買えなくなる。信頼関係だけでなりたつ仕組みなんだ。そして、お客さんには納得して買ってもらう。そのためには、絶対に自分が納得した、美味しいと思えるコーヒーじゃなくちゃいけない。お客様にコーヒーを売るんじゃなくて、コーヒーを通して生活が豊かになる手伝いをしてるって思ってる。」「繋がった」そう思った瞬間でもありました。

ウガンダに行って、10年となります。今でも、過ごした日々が目に浮かぶくらい、鮮明に記憶してることがたくさんあります。毎日のように、はだしの子供たちが遊びに来てくれて、一緒にマンゴーを食べたこと。生徒たちから教えてもらったガンダ語で授業をしてみて、大笑いしたこと。15リットルの水で毎日、衣食住のすべてをまかなっていたこと。大切なその時間で学ばせていただいたことを胸に、世界平和を小さく祈りながら、世界中に生産者が丁寧に作ってくれた美味しいコーヒーをお客様に届け、大好きな家族、スタッフと過ごす時間に感謝する。ただそれだけ。その日々が、私にとっては何より楽しく、愛おしいと自信をもって言えます。

おや?なんの話をしていたっけ?そんな感じで、講演も話過ぎましたが…やっぱりいっぱい旅に出て、どこでも生きていける。自分の居場所がある。それを知ってほしい。大人になるって楽しいんだな。そう思って、不安なく大人への道を歩んでほしい。こうやって、伝えられる相手がいるということ、機会をいただけたことにも感謝です。

珈琲きゃろっと バリスタさぁやん