こんにちは、きゃろっと実験室よりバリスタさぁやんです。
きゃろっとの抽出ポイントでは、蒸らしの後の抽出時「最後までポタポタさせないでください」と、注意書きをしています。
では、実際にA.ポタポタさせたものと、B.ポタポタさせないもの。
どう違いがあるかを実験してみました。
実験1:ポタポタさせる vs ポタポタさせない
【実験共通条件】
・注ぐ湯温 87℃
・コーヒー豆(グアテマラ・グアヤボ農園中深煎り・焙煎から3日)30g 中細挽き
・抽出量 100ml
・差し湯をして完成量 300ml
【実験方法】
・スケールの上にコーヒー道具を一式乗せ、お湯を注ぐ量を計量。
・抽出量、完成量は、メジャーカップのメモリにて測定
A:最後はポタポタするバージョン
・50gの湯を注ぐ
・30秒蒸らす
・150gになるまでゆっくり注湯し、その後、全ての液体が落ちきるまで待つ
(抽出量100mlになります)
B:ポタポタなる前に抽出終了するバージョン
・50gの湯を注ぐ
・30秒蒸らす
・180gになるまでゆっくり注湯し、抽出量が100mlになった時点で、ドリッパーを取り上げる
※ドリッパー内には、まだ湯が残っており、液体は落ちきっていません
実験1の結果は!?
A:最後はポタポタするバージョン
・多彩な味わい
・濃度やフレーバー出る
・高温時、やや苦味を感じやすい
・冷めてくると雑味も感じる
B:ポタポタなる前に抽出終了するバージョン
・雑味がなく、クリーンな味わい
・ごくごく飲める印象
・冷めても雑味が出にくい
・きゃろっとの目指す味わい
これってどういうこと?
ポタポタさせると、いい意味でも悪い意味でも、色んな成分が出ていると感じます。 フレーバーの多彩さも感じつつ、苦味も出てしまっています。
そのため、「濃度をしっかり出したい」「とにかく様々なフレーバーを楽しみたい」という人には、 こちらの方がおススメかもしれません。
ポタポタさせずに抽出させたのは、まさに「きゃろっとの目指す味わい」だね。 冷めても雑味が出ないため、最後の一滴まで、嫌な味わいが出ずに楽しめます!
でも、飲み慣れていないと、もしかしたら「ちょっと物足りないかも?」という感じる方もいるかもしれません。
この2つの実験から、「クリーンで柔らかな口当たり」を目指すきゃろっとでは、やはり、ポタポタさせないで抽出するのがベスト!という 結果となりました!
また、ポタポタさせないという条件でコーヒーを抽出するには、抽出された液体量のみを計測する必要があります。デジタルスケールでは、注ぐお湯の量は測れますが、抽出された量の計測はできません。なので、はきゃろっとで「メモリの付いたメジャーカップ」の利用をおススメしております。
実験2:スケールを使用すると安定するのか?
実験1でポタポタさせないほうが美味しいということがわかり、メジャーカップ使用がおすすめと記載しました。
では、デジタルスケールで注ぐ湯の「蒸らし」時の重さや「2投目以降」の重さを測って淹れるのは、意味があるのか?ないのか?
恐らく、毎日全く同じ条件だと、それぞれも重さをを測って淹れるのは、意味があると思います。
ですが、コーヒーの難しさは、焙煎の日数によって、豆が変化していくこと。
日数の経過で膨らみが違うということは、保水する量が違うのでは?
それだったら、デジタルスケールで湯量を計量は意味がないのでは?
ということで、焙煎の経過で、豆が保水できる量に変化がでるのか、実験してみました。
【実験方法】
焙煎日:焙煎から3日目と焙煎から3週間で比較
① コーヒー豆(グアテマラ・グアヤボ農園中深煎り・焙煎から3日)30g 中細挽き
②1投目はお湯を50gまで注ぎ、蒸らす
③2投目以降は150gまで注ぎ、完成量を比較
実験2の結果は!?
焙煎の経過日数とコーヒー豆の保水できる量に差はなかったね。ということは、毎日同じように抽出したい場合は、計量したほうが安定するってことだ!
1投目(蒸らし量)の目安は、豆のg×1.5倍の湯量だったね。
例)20gだったら、20×1.5 の30gの湯を注ぐ
この量で、全体に湿るように注ぐと、丁度良い量で蒸らしができます。
さらに、2投目以降も焙煎の経過日数によって、保水量に差は出なかったね。
でも、実験1で「ポタポタさせないこと」が重要ということがわかったから、美味しく抽出するには、メジャーカップの使用がおススメです!
いかがでしたでしょうか?
ちょっと今回は、マニアックでしたね💦
みなさんも疑問が解決するお手伝いが、少しでもできればうれしいです。
この記事を書いた人
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。
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