さらに深く、カフェ・オ・レを研究します。
実店舗では、テイクアウトを中心に「カフェラテ」や「チョコラテ」など、コーヒー牛乳を足したメニューのご注文もいただきます。
このカスタムメニューとして、牛乳を豆乳に変え、豆乳ラテにすることも可能なのです^^
牛乳が飲めない方、さらに女性には美容効果もあると言われており、隠れ人気メニューとなっています。
通常、この時に使用する銘柄は、日替わりエスプレッソでご提供します。
でも、「ミルクだって個性があるんだから、ベストマッチな銘柄だってあるはず!」ということで、今回は「牛乳以外のミルクでは、どの銘柄が一番相性がいいのか?」について、検証してみました。
※実店舗はエスプレッソですが、今回は抽出液を使用します
使用銘柄の紹介
■ブラジル・ハチドリ(中煎り & 深煎り)
一般的に、コーヒーの酸味は焙煎度に由来し、焙煎度が浅いほど酸味を強く感じるようになります。
ですが、ブラジルのコーヒーはこれに関係なく、酸味の強くない銘柄が多いブです。
※精製方法や品種によっては、酸味に特徴のあるコーヒーもあります
主張しないコーヒーの特徴が、色々なミルクと合わせた時にどう表現されるのか!?
■グアテマラ・グアヤボ農園(中深煎り & 深煎り)
焙煎度が浅いほど酸味を感じ、逆に深いほど苦みを感じるようになります。
このため、どちらもコーヒーらしい苦味を感じることができます。
グアテマラコーヒーは酸味に特徴のあるコーヒーですので、特に中深煎りは酸味・苦みのバランスのよさが特徴です。
コーヒーとしてのバランスのよさを、それぞれのミルクが生かすことができるのか!?
■エチオピア・イルガチェフェ(中浅煎り)
当店でも、もっとも焙煎度の浅いコーヒーなので、酸味を感じます。
エチオピアらしい、シトラス系のさっぱりした酸味が特徴です。
コクのあるミルクと合わせると、新しい味を生み出すことができるのか!?
淹れ方は「きゃろっと式カフェ・オ・レの作り方」
前回の投稿を見ていない方は、コチラ
【準備するもの】
・各コーヒー豆:30g(中細挽き)
1.きゃろっと式の淹れ方を参考に、コーヒーを淹れる
2.100ml淹れたら、抽出をストップ
3.各ミルク200mlをミルクパンやレンジで温める(約60℃)
※アイスカフェオレの場合は、温めずにそのまま注いでOK
4.3のミルクを、2のコーヒーに注いで完成
このコーヒーの淹れ方は、「きゃろっと式」で検索!
そして、牛乳以外のミルクとして用意したのは、下記の2種。
■キッコーマン 調製豆乳
■グリコ アーモンド効果 オリジナル
牛乳や豆乳は、いつも実店舗でも使用しておりますが、アーモンドミルクは初登場!
どんな味になるのか?
果たしてコーヒーには合うのか!?
まずはそのまま、それぞれを飲んでみた感想です。
■キッコーマン 調製豆乳
こちらは、みなさんもご存じ、ごく普通の豆乳ですね。 調整豆乳なので、加糖されており、甘みがあります。 無調整豆乳が飲めないという方も、これならイケる!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
■グリコ アーモンド効果 オリジナル
口にした瞬間、声が出ました。「甘いっ!」砂糖だけでなく、ハチミツなども含まれており、まるでアーモンド菓子を食べているような甘さです。
また、ハチミツが入っているからなのか、トロっとしたコクも感じます。
後味にはアーモンドのフレーバーがふわっと香り、香ばしさが甘~いコーヒー牛乳を飲んでいるようでした。
緊張の結果発表!!!
豆乳には何が合う?
■ブラジル・ハチドリ 中煎り
→しっくりこない味に、頭に浮かぶ「?」。
豆乳の甘さとブラジルのナッツ感がマッチせず、苦味が引き立っているようでした。
■ブラジル・ハチドリ 深煎り
→中煎りに比べ、酸味が少なくなったことが要因なのか。
豆乳には、深煎りの方が合うようです
豆乳の独特な甘みとコーヒーの苦味が心地よく感じ、美味しい豆乳ラテに^^
■グアテマラ・グアヤボ農園 中深煎り
→豆乳の風味もコーヒーの風味も、程よく感じます。
コーヒーがお好きな方には、物足りなく感じるものの、誰でもお楽しみいただける味に。
■グアテマラ・グアヤボ農園 深煎り
→飲み物として、味にまとまりがあり、とっても美味しくなりました!
ボディ感を最も感じ、とろとろした口当たりが、とっても飲みやすい豆乳ラテになりました。
「やっぱりおいしいね~」とベストマッチコーヒーでした!
■エチオピア・イルガチェフェ 中浅煎り
→「あれれれ~?」ストレートで飲むと、あんなに美味しいのに…
残念ながら、明るい酸味が、豆乳には合わなかったようです。
【結果】
豆乳のまったりとした口当たり、優しい甘さには、断然深煎りの銘柄がおススメです!
浅めの焙煎度の銘柄を使用すると、味に一体感がなくなってしまうようです。
さらにホットで淹れる際には、コーヒーの酸味と豆乳のたんぱく質が反応して、豆腐とにがりができちゃうので注意が必要ですよ!
アーモンドミルクには何が合う?
■ブラジル・ハチドリ 中煎り
→アーモンドミルクの強い甘さに、コーヒーの風味が負けてしまいました。
ナッツのようなキャラクターをより強く感じますが、コーヒー感が物足りない結果に。
■ブラジル・ハチドリ 深煎り
→中煎りに比べると、コーヒーとしてのコクを感じ、美味しいアーモンドラテに。
ブラジルのビターチョコやアーモンドのような風味が、アーモンドミルクの甘みに一体感が生まれました。
■グアテマラ・グアヤボ農園 中深煎り
→ブラジルの中煎り同様に、アーモンドミルクの甘みに少し負けている印象です。
こんなに強いのか、アーモンドミルク…
■グアテマラ・グアヤボ農園 深煎り
→コーヒーとしての風味を最も感じ、バランスがよさが光ります。
アーモンドミルクの強い甘みがグアテマラ深煎りの苦みを調和するようです。
「これ定番メニューにいけるでしょ!?」とバリスタさーやん。
■エチオピア・イルガチェフェ 中浅煎り
→口に含んだ瞬間と後味に変化があり、とっても面白い味のラテになりました。
前半に感じたアーモンドの香ばしさが、後半にはイルガチェフェ特有の風味を感じます。
ライトボディで、クセのあるアーモンドミルクも飲みやすく、爽やかなラテに仕上がりました。
【結果】
アーモンドミルクは、まったりした甘みだけでなく、アーモンドの香ばしさを感じます。
これがコーヒー牛乳の風味に似ているため、どの銘柄でも大きく味が崩れることはありませんでした。
どの銘柄でも合わせやすく、またお子さまにもおススメのラテになりますよ^^
総評
中深煎りでも深煎りでもグアヤボ農園の万能さが際立った結果に
→コーヒー好きも、そうではない方も、どんなミルクでも、美味しいラテに
深煎りなら吉:軽すぎず重すぎないマウスフィールと苦みが相性○
→コーヒー好き、コーヒーの風味をしっかり感じたい方、本格的なラテを飲みたい方に
酸味のある焙煎度の浅めの銘柄は、合わせる相手を考えないと失敗する
(イルガチェフェ、ハチドリ中、コスタリカなど)
→ミルクのコクに負けてしまう、コーヒーが苦手な方(子ども)にはおススメ!クセのあるミルクには合わせずらい、酸味に特徴があるので極端に合わない場合がある
この記事を書いた人
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。
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