このピカピカのコーヒーのことを、「ニュークロップ」と言います。
クロップとは、農産物としてのコーヒー生豆のことを言います。
最初にお米でも例えましたが、お米でいう「新米」。
農産物ですから、収穫時期があり、収穫量があり、今年のものがなくなったら、来年のものに切り替わりますよね。
お米の場合、新米が入ったという知らせを聞くと「やっぱり新米はおいしいね~」なんて新鮮な味をお楽しみいただくかと思います。
コーヒーも同じ。
コーヒーの場合は「ニュークロップ」と言い、一般的に当年度産のコーヒーを指します。
ニュークロップの麻袋、そこに書かれているものは!?
収穫時期を示す表記は、コーヒーが運ばれてきた麻袋にもあり、画像にもあるように「2018/2019」と書かれています。
※分かりずらいですが、生豆の下に、2018の表記があります
でもこれを見て、「あれ?」って思いませんか?
「今は2020年なのに、2018年と書かれたコーヒーもニュークロップなの?」
そうなんです、少し分かりずらいですよね。
でも、コーヒーがいつ頃収穫されて、どのように作られているかを考えると納得いくかと思います。
今回入荷したグアテマラ・グアヤボ農園の麻袋には、「2018/2019」と書かれていますよね。
これは、2018年10月頃~2019年9月頃に収穫されたもののことを示します。
コーヒー生産地の現場では、収穫時期に合わせて年度を決めており、コーヒー豆生産の大国であるブラジルの収穫期が基準になっています。
その収穫時期が10月頃から始まるので、年度の始まりが10月からと中途半端に感じる時期になっているのですね。
僕たちが見たグアテマラでは…
年末から年始にかけて収穫の最盛期を迎えてるので、ちょうど1年前くらいに収穫されたコーヒーと言えます。
※コーヒーの収穫期は、他の農作物とは異なり長いので、実際には2018年11月~2019年3月くらいまで収穫しています。
僕たちがグアテマラに訪問した6月には、まだコーヒーチェリーは緑色でした。
ここから、寒暖差ある気候の中で、ゆっくりと成熟して大きく赤くなります。
でも、このコーヒーチェリーが真っ赤に熟しても、すぐに日本へやってくるわけではないんです。
産地での収穫や精製処理・乾燥・袋詰め・港までの運搬から船積みなど、早くても半年~9ヶ月ほどかかります。
なので、2018年10月~2019年9月に収穫されたものが、一番新しい生豆と言えますよね。
コーヒー生産の最先端では
この写真は、コスタリカの生豆保管倉庫。
コーヒー生産の進んでいるコスタリカでは、それぞれの農園やマイクロミルで、倉庫を持っており、精製された生豆を保管します。
お世辞にも広いとは言えない木造倉庫に、所狭しとコーヒー生豆が積み上げられています。
ここでは生豆の水分値を逐一計測し、もっとも最適な状態(水分値11~12%)に全ての豆の乾燥度を揃えます。
「環境を整えることが重要なんです。」と、どこに言っても話しているように、生豆保管倉庫も温度や湿度をコントロールされています。
環境にもよりますが、ここでの乾燥期間が約3ヶ月から半年と言われています。
最後までとことん生産者の方々の手が掛かっているなぁと、影の努力を見ることができますね。
こうして仕上げられたコーヒーは、さらに長い船旅(約1ヶ月)を経て、今年の年末にやっと日本へ、今ここにやってきました。
長い道のりだけど、どれひとりかけても私たちの元へは辿り着かないコーヒー豆。
コーヒーって、本当に尊い飲みものですよね。
この記事を書いた人
珈琲きゃろっとの生産管理をしている浅野です。
コーヒー屋だから知っていることやちょっとした豆知識など、みなさまのコーヒータイムにお役立ていただけるような情報をお届けします。
日々のコーヒー実験は、妻のバリスタさーやんと一緒に。仕事場でも自宅でも、いつもコーヒーの話ばかりしているコーヒーオタク夫婦が、きゃろっと的に検証していきます。
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