珈琲きゃろっとの大石です。
太郎山さんのインタビューの編集後記です。
今回のインタビューも非常に多くの学びのある内容になりました。
特にパン作についてや、酵母、小麦については、聞いた内容を文字に起こし、まとめようとすればするほど、奥が深く… 僕のレベルではこれが手一杯でした…(涙)
が、本当は賢太郎さんに、もっと深く教えてもらっていたことを白状いたします(笑)上手にまとめきれず失礼しました。(それでも全然大丈夫ですよ、と言ってくれる賢太郎さんに感謝…!)
そうそう。
しっかり、今回は忘れずに、コーヒーも一緒に飲んできました。コーヒー屋としての自分を、決して忘れていませんよ~(笑)
今回は道具がなくても楽しめる「カフェスト」をご用意。
お湯だけ用意してもらって、一緒に楽しみました。 太郎山さんのご夫婦にも「美味しい!」の言葉を貰えてすっごく嬉しかったです。インスタグラムのストーリーズでも後日ご紹介くださって、ありがとうございました。
コーヒーのお供は、 なんと…!前回の記事に記載した「自家製ごま味噌といちごジャムをつけたカンパーニュ」です。相性が凄まじく良い…!本当に、飛び切り幸せなひと時になりました。ありがとうございます(心底)
天然酵母ならではのカンパーニュのほのかな酸味と、 中深煎りのグァテマラ・クプラ農園が持つオレンジやアプリコットの優しい酸味が 口の中で仲良く余韻を響かせてくれます。あ~、幸せ~(笑)
余談ですが、太郎山さんの豆パンや素朴なあんぱんも コーヒーとめっちゃくちゃよく合います。
こちら僕としては、深めの焙煎のコーヒーがオススメです。 我が家ではブラジル ハチドリ深煎りと合わせましたがベリベリグッド!でした。
ペアリングで花開く香りや、それだけだと気が付かない風味に気が付けますので、ぜひ、お好みのコーヒーとのペアリングで素敵で楽しいコーヒータイムをお過ごしください。
インタビューを振り返って。「矛盾のない仕事」とは。
↑の写真の通り、今回も家族でインタビューに行ったわけですが、本当に優しいご対応ありがとうございました。僕はもちろん、子供たちもすごく良い時間&学びになったようで、喜んでおります!
さて、賢太郎さんのインタビューで何度も出てきた「ルヴァン」のお話。特にルヴァンを作った甲田幹夫さんについては、色々な場面で影響を受けているとお話してくれました。
甲田さんは本も出されていて、今回のインタビューをきっかけに僕も拝読することに。その中で特に印象深い言葉は「矛盾のない仕事」でした。
甲田さんはパン屋さんになるまで、小学校の先生や会社勤めをしてきたそうですが、仕事をしているうちに「矛盾」が出てくることに気が付きました。例えば、「僕が売ったものを飲み続けたら、カラダを悪くするだろうなぁ」等のことです。
そんな中、天然酵母を使ったパンは違ったそうです。「自分作っていて気持ちがいいし、人にも喜んでもらえる。 素材だってカラダにいいものしか入っていない。とにかく全体的に矛盾が感じられなかったんです。」←本からの引用※
この矛盾のなさ。という概念は、色々なことに通じることだと感じています。
そして、自分の仕事にはどうだろう。そんなふうに自問するきっかけにもなりました。
その時にふと思い出したのが、きゃろっとの「無理をしない働き方」です。僕はこの考え方が大好きだし、何度もこの優しさに救われてきたように感じています。
これって、結構解釈が分かれやすい部分なんですが、決して手抜きをしていいということではなく、「自分の仕事を大事にしながら、手を抜かないけど、頑張りすぎてしまったら結局続かないし、どっかで破綻してしまうよね」という意味合いを含みます。このニュアンスが絶妙なんですね。
今きゃろっとには僕を含め30名くらいのスタッフがいます。
皆で協力して「きゃろっと」という会社を作り上げています。そこで大事にしていることが今言った「無理をしない」ということ。これが本当に大切。大前提として、一人ひとりに暮らしがあり、大事な家族があり、時間は有限。
その貴重な時間をきゃろっとという同じ場所で過ごすわけです。「無理をしない」ことは自分を大切にすることであり、同時に周りの仲間を尊重することに繋がっています。だって、自分が無理していたら、周りにもその位のこと気付かずに求めてしまいますよね。
その大前提に立ち、働くみんなが長期的に「無理なく」働ける環境や仕組みを維持する。これが重要としているわけです。このことが僕の頭にあり、甲田さんの「矛盾がない」が、きゃろっとでは「無理をしない」という言葉で表現されているように感じています。
更に、自らが働くことについて、長期的に見ていくと 「自信をもってオススメできるかどうか」もよく、きゃろっとで考えるところです。自分の大切な家族にも、お客様へと同じくオススメできるのか。この視点は絶対に外すことはできないと思ってます。
「自分のとこの商品を大事に思う」というのは、当然のことのようですが、案外一般的にはそうできないこともあるように感じています。 自信をもって仕事として取り組めるのか。誇りをもって仕事の話ができるのか。家族に胸を張れる仕事なのか。こういった価値観は、とても大事ですよね。
それと、甲田さんはあるインタビューで「あくまでもいろんな意見のなかのひとつで、別に俺だからって特別扱いはしてもらえないの」 と話していました。
社長だからとか、そういったことではなくみんながフェアに協力しあえる。
ルヴァンはパッチワークみたいに力を出し合って作り上げる場所。と書いてあり、そういったところも、きゃろっとによく似ているように感じました。
実際、きゃろっとでも内倉の意見だから、ということではなく平等に意見交換されるところをよく見ます。
さて、甲田さんの話が多くなりましたが、太郎山さんのインタビューでは、その考え方が随所に見られました。 僕のような「にわか」ではなく、真髄から甲田さんの考えを学んだ賢太郎さん。 一番強烈に感じたのは、ものづくりへのひたむきな姿勢です。
ものを大切にする。未来の子供たちのためになるものづくりをする。 自分が作るパンを大事な自分の子供に食べさせたいか。 細部まで目を凝らし、自分が納得して取り組んでいる姿勢が、そこにはありました。
実際、太郎山さんのパンを食べると、その滋味深い美味しさと、 素朴で力強い風合い感じられます。 自然の力。生きている酵母と向き合い続けるからこそ出せる味わいに他なりません。素材にこだわる。月並みな言葉ですが、その深さや覚悟が違う。そんなイメージを感じています。
また賢太郎さんの優しい雰囲気によるところも大きいと思いますが、ストイックなだけではなく、酵母の働きや、その使い方をとても楽しんでいる様子が伝わってきます。まだまだ、やりたいことが山積しているようです。
朝早くから、夜は遅くまで。長時間パン作りをしている中でも「僕は楽しいことを、好きなことをやれてるから」と 何度も語ってくれたのも、とても印象深いです。
賢太郎さんのひたむきなものづくりの心。それが凝縮された太郎山さんのパンの数々。
「いつか、この「酵母パン」の食べ方が伝えられるような、そんな場所ができたら楽しいかもしれませんね」とも語ってくれました。
インタビューの中でもありましたが、生きている酵母。 毎日少しずつ違う仕上がりになります。
その違いをどう、お客さんにどう伝えるのか。今日のパンの表情や雰囲気。その辺りをくみ取って、お客様へ伝えることができるのは、奥様の存在あってのこと話してくれました。
「僕と一緒に立ち止まってしまったら、そこで終わってしまうんです。 でもそうじゃなくて、妻は前に進めていこうとしてくれる。これは一番の理解者ですよね」
それから…
「お休みの日は、とにかく家族と、子供と一緒に遊びたいですね。家族で山に行ったのもすごく楽しかったです」
そんなふうに、奥様やご家族のお話が随所にでてきたのも今回のインタビューの特徴のように思います。
大切な家族を想い、太郎山のパンを食べてくれる人のことを想う。
そんな日々が続いていくことで、賢太郎さんは「矛盾なく」酵母パンを焼いくことができます。
それが未来の子供たちに繋がっていくことを信じながら。
自家製酵母パン 太郎山
北海道北広島市大曲中央3丁目2-2
TEL : 011-300-9143
▼インスタグラム
この記事を書いた人
こんにちは!珈琲きゃろっとの大石です。
毎日、お客様対応や焙煎業務など色んな事に携わっております。楽しいです^^
嬉しい言葉や、美味しい!のご感想をみては、「幸せな仕事がきてうれしいなぁ~」と実感してます。
そして、我が家のエンゲル係数異常値ですが、食道楽はやめられません(笑)
食道楽が高じて「どんな人が、どんなふうに作ってるんだろう」という興味を抑えきれず、素人ながら、家族で突撃インタビューをしています。完全に趣味です(笑)
美味しいコーヒーと同じくらい、この世の美味しいものが好き。もう、この気持ちに素直に生きています(笑)
コーヒーのこと、お客様やサービスのこと、きゃろっとのこと、食道楽のこと(笑)など色んな角度から魅力再発見するお手伝いができたら嬉しいです。
もし良かったら、コーヒーと一緒にお付き合い下さい。