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「ベーグルとコーヒーのある食卓から、美味しくて豊かな時間を広げていきたいですね」恵庭市恵み野トモエベーグルインタビュー ①

こんにちは。珈琲きゃろっとの大石です。

美味しいお店にインタビューするこの企画も3回目です。今回お話を聞くのはベーグルの専門店。きゃろっとのカフェのある恵庭市恵み野に店を構える「トモエベーグル」さんです。

プレーンベーグルの原材料は小麦粉(強力粉)、水、砂糖、塩、イーストだけ。油脂が入っていないので、小麦などの素材の味を強く感じられるのが特徴です。 また、卵や乳製品、バターを使っていないため、ヘルシーでアレルギーを持つ人でも食べやすいといわれています。

また、こちらのお店では、創業時からきゃろっとのコーヒーを使ってくれていて お店でベーグルと一緒に楽しむことができます。

落ち着いた店内で、ゆったりと誠実お話をしてくれたのは トモエベーグル店長の角井さん。


ベーグルの美味しさの秘密や、地域に対する想いなど 色々なお話を伺ってきました。 どうか、お付き合い下さい。

ベーグル屋さんの考える、コーヒーとベーグルの相性とは?

2021年10月19日インタビュー。紅葉がはじまった秋めいた日でした。

—今日はよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。


—早速ですが、トモエベーグルさんでは きゃろっとのコーヒーを使っていただいてますね。ありがとうございます!

そこで質問なのですが、角井さんの思う「ベーグルに合うコーヒー」ってどんなものでしょうか?

いきなり難しい質問ですね(笑)

僕は赤ワインが好きで、良く飲むんですけど、 やっぱりマリアージュが凄く楽しいですよね。 そして、マリアージュのベースには、 「同じ香りのワインと食材で合わせる」というのがあります。

それはきっと、ベーグルとコーヒーも同じだと思うんですよね。だから、その「香りを合わせる」という部分を軸にして、ベーグルを食べるシーンを想像しました。

プレーンのベーグルはそのままでも美味しいし、サンドイッチ等にしても幅広くアレンジができます。また、ベーグル自体、具材のバリエーションでを色々な味を作り出せます。すごく自由度が高いんですよね。

だから、合わせるコーヒーに大事なのは合わせる幅の広さ。
具体的には、適度な苦味があって、食事だけでなく、チョコレートやナッツ系を使ったベーグルでも合うような。そうなると、深煎りも良いなぁと思ってたんですけど、サンドイッチとの相性も考えて、よりバランスの良い「グァテマラ グァヤボ」の中深煎りに落ち着きました。

使用するコーヒーは、トモエべーグルをオープンする際に、内倉さんに相談に乗って貰って決めたんですよ。


お客様の評判も良くて、今も変わらず使わせてもらってます。ベーグルもそうですが、コーヒーも奥が深くて面白いですよね。

個人的には酸味を楽しめる焙煎が浅目の「エチオピア イルガチェフェ」も好きですね。ドライフルーツとか、果物を使ったベーグルに合わせたら、すごく美味しそうです。

ナッツ系のベーグルと相性の良いグァテマラ・グァヤボ農園。様々なペアリングを実験中。※写真はトモエベーグルFacebookより。

—良いですね!すごくワクワクしますね。
想像するだけでも楽しいですよね。結構、ベーグルとコーヒーは同じ食卓に上がるイメージがありますよね。


—確かに、朝食にベーグルとコーヒーが並ぶ。そんなイメージがありますね。
やっぱり、そうですよね。そういう言う意味でも、やっぱり相性が良いんでしょうね。


トモエベーグルのお客様のイメージは、30代から40代の女性の方を想定しています。 ただ、矛盾するようですが、ベーグルの味作りは 小さなお子さんからご高齢の方まで食べやすく。というのことを意識しています。

つまり、30代~40代の女性の方をイメージして作ってはいますが、ご自身はもちろん、お子さん、ご両親とも一緒に食べてもらえる。そういうコンセプトですね。

食卓には、コーヒーもあって。もちろん紅茶でも良いんですけど。更に、家族それぞれの好きな味のベーグルが並んでいるような。そんな日常のワンシーンのイメージが、ベーグルって湧きやすいんじゃないかなって思っています。家族団らんとか、気持ちの良い朝、とかそんなイメージです。

だからこそ、そのイメージに対する期待に応えられるように、常時20種類くらいのバリエーションを持ってベーグルを用意してます。 ご家族それぞれの好みの味があるように、と思って。どうしても良く売れる日は種類が無くなってしまいますが、できるだけ色んな時のベーグルを用意したいと思っています。


—すごく素敵なイメージですよね。 暮らし自体も食器や家具にもこだわっていそうな。そんな雰囲気を感じますね。
そうなんですよね。ベーグルってそういう風に、なんかイメージが広がりますよね。それはきっと、「ベーグル」の可能性なんだと思ってます。だから、その可能性が広がることを、トモエベーグルは大切にしています。

お店の前の看板にも、トモエベーグルの目指すミッションを掲げ、ベーグルの魅力を伝えている。

—ベーグルの可能性を大切にしている、ということですね。
はい。
トモエベーグルのミッションは「欧米化、パン食化が進む現代日本人の食卓、 特に朝食をよりヘルシーで多様なものに進化させ、豊かにしたい。 そして日本人の健康を、世界の伝統食であるベーグルで美味しく守りたい」 としています。

ヘルシーで健康的なものを広げたい、という思いもありますが、 何よりベーグルから連想できる、幸せな時間や豊かな空間のイメージも伝わったら良いな、と考えています。


—お店の内装や食器もそのイメージで選んだのでしょうか?
う~ん、そうですね(笑)そこは全部がそうでもないところも正直あるんですが(笑)

お店をオープンする時には、色々なカフェや飲食店を巡って、どんなお店にするかを参考にしました。 結果的には自分の好みがたくさん入っています(笑)

けど、お客様に寛いでもらうにはどんな雰囲気にするのが良いか、を大事にして考えましたね。

僕、個人的には、さっきも言った通りワインが好きなので、少し照明を落としたような落ち着いた雰囲気にしたくて。 あと、木材を使って自然を感じる居心地の良い空間にできるように、知り合いのデザイナーと相談して作っていきました。

—こちらのお店を開店するまでのお仕事の経験も、影響が大きいですか?
そうですね。
僕は全国展開しているファミリーレストランに勤めていたことがあります。ファミリーレストランって色々なお店がありますが、どのお店も個性的で、楽しい装飾になっていますよね。そして、その装飾を見てお客様が喜んでて。


だから、どこかで「個性的に、好きに作って良いんだな」という開き直りもあったとは思います(笑)

けど、お客様がまた来たいと思えて、居心地が良いところ、と感じて貰えるお店を作ろうと。そこは基本において、自分が好きな形に作っていきましたね。

少し照明を落とした落ち着きのある店内。角井さんのこだわりが随所に見られる。

—角井さんはトモエベーグルをオープンするまで、多様な経歴をお持ちですね。
確かに、ちょっと個性的な経歴かもしれませんね。

学生時代「マスターキートン」っていう漫画を読んで、格好良い!と思ったところから、 アメリカで考古学を勉強したいなと思って。その気持ちのまま、アメリカのニューヨーク州立大学に行ったんですね。
そこに2年。その後、カナダのブリティッシュコロンビア大学へ。先住民族の研究で有名な学校で、考古学を学びました。今思うと、両親も反対すること無く、やりたいようにやらせてくれたのはありがたいですね。

卒業を期に帰国して。就職は日本でしたいと思ってたので、留学生対象の会社説明会に行きました。そこで、たまたま空いているブースが一カ所あって。全国にお店のあるファミリーレストランを営む会社で、そこでお話を聞いたら、じゃあ働いてみましょうっていう感じで(笑)他の会社の話を聞くことも無く決めていました。

就職して、まずは店舗での勤務。その後、恵庭に新しい事業形態の立ち上げに参加しました。食べるだけじゃなくて、観光農園の機能もある施設で、自分でやりたいことを色々形にできましたね。それに、何より恵庭という町に来るきっかけになったので 僕にとっては、すごく大きなできごとです。

恵庭での暮らしを楽しんでいる角井さん。恵庭では子供たちの笑顔を見る機会が多いと話す。


—恵庭という町がとても気に入ったと仰っていましたね。

恵庭に来るまで、海外を含めて色々な町に行き、住んできました。その中でも恵庭はもっとも気に入った場所です。コンパクトに全部揃ってるし、自然もあって。

水も空気も美味しいし、人も温かいですよね。利便性も良くて住みやすい。地域の人が温かいから、子育てもしやすいですよね。だからすごく気に入って。


だから、元々「いつか独立したい」と思っていたので、
えこりん村の仕事をしながら、「恵庭で何かやってみよう!」という気持ちが生まれてきました。

その後は、札幌のデパートのレストランで働いたり、建築会社のベンチャー企業に勤めたり。自分が起業するにあたって必要だと感じていた、数字の管理やマネージメントなど、具体的なことを学ばせてもらいました。

—そういった経歴を経て、独立に踏み切るわけですね。
はい。独立すること自体は決めていたんですが、この時はまだベーグルとは思っていなかったんですよね。


—そうだったんですね。どんなふうにベーグルでお店をやろうと考えたのか、凄く興味深いです!
それでは、次回のインタビュー記事で詳しくお話を伺っていきますね。

どうぞよろしくお願いします!


角井さんの経歴や、トモエベーグルさんの企業ミッションやベーグルについての想いを伺った今回。
角井さんらしい優しい口調で、丁寧に説明してくれたのが印象的です。

さて、次回は独立を決めた角井さんが「ベーグル屋」になることを決めた経緯や、研究を重ねたベーグル屋さんが考える「おいしいベーグル」についてなど、詳しく聞いております。

▼インタビューの続きはこちら
「ベーグル専門店が考える、美味しいべーグルの3つの条件」恵庭市恵み野トモエベーグルインタビュー ②

ぜひお付き合い下さい。

トモエベーグル
〒061-1373
北海道恵庭市恵み野西2丁目2−12
電話:0123-21-9129



大石 広土

この記事を書いた人 
こんにちは!珈琲きゃろっとの大石です。
毎日、お客様対応や焙煎業務など色んな事に携わっております。楽しいです^^
嬉しい言葉や、美味しい!のご感想をみては、「幸せな仕事がきてうれしいなぁ~」と実感してます。

そして、我が家のエンゲル係数異常値ですが、食道楽はやめられません(笑)
食道楽が高じて「どんな人が、どんなふうに作ってるんだろう」という興味を抑えきれず、素人ながら、家族で突撃インタビューをしています。完全に趣味です(笑)

美味しいコーヒーと同じくらい、この世の美味しいものが好き。もう、この気持ちに素直に生きています(笑)

コーヒーのこと、お客様やサービスのこと、きゃろっとのこと、食道楽のこと(笑)など色んな角度から魅力再発見するお手伝いができたら嬉しいです。

もし良かったら、コーヒーと一緒にお付き合い下さい。